【スムーズに眠れる!】眠れない原因と対処法15選を解説

明日の朝から大切な予定があるのに、そんなときにかぎって夜なかなか寝付けないということは、誰にでもあるでしょう。

  • 明日の朝から重要なプレゼンがある
  • 旅行のため朝早く起きなくていけいない
  • 明日の試合に備えて体を十分に休めたい

「早く眠らなくちゃ」というプレッシャーはかえって入眠を妨げてしまいます。

人は本来決まった時間に眠るよう体が調整されています。いつもの決まった時間に眠れないときは、入眠を妨げる何かしらの原因があります。

この記事では入眠を妨げている原因を明らかにするとともに、眠りやすくするテクニックを紹介します。

眠れない原因が判明し対処を実践したけれど、それでも眠れない。そんな眠れないときは焦らずそのまま横になって体を休めるようにしましょう。体を横にしているだけでも休息を取れますし、体が眠りを必要としているのなら、いつの間にか眠っていることになるでしょう。

1時間でも2時間でも睡眠を取ることができたのならば儲け物です。いつもより睡眠時間が短いことを気に病む必要はありません。なぜなら人は眠りに落ちてからの約1時間半の睡眠に、脳や体の休息のほとんどを済ませてしまうからです。

目次

眠りのメカニズムを紹介

睡眠中に体と心のメンテナンスを行う

そもそも人はどうして眠る必要があるのでしょうか? 
人が眠る理由は様々ありますが、代表的なものが3つあります。 

  • 脳のメンテナンスで記憶を処理をする 
  • 体のメンテナンスで調子を整える 
  • 心のメンテナンスで感情をコントロールする

人は日中の起きているときに外界からの刺激に対して反応し、夜の眠っている間に脳や体、心のメンテナンスを行います。
そして覚醒時に手に入れた情報を脳に保管したり、また明日から元気に活動できるように休息を取ったりします。 

睡眠の時間を決める体のメカニズム

眠れない原因を知る上で、人間の眠りのメカニズムを理解することは重要です。 
本来、人は毎日決まった時間に眠気がやってきます。 

人が眠たくなるのは、体に3つの睡眠に関する仕組みが備わっているからです。 

  • 眠る時間を決める体内時計 
  • 眠気を誘うホルモン物質「メラトニン」 
  • 覚醒中に貯まる睡眠圧「アデノシン」 

私たちの体に備わっている睡眠時間を決める3つの仕組みについて解説します。 

眠る時間を決める体内時計 

人間は、地球の自転に合わせて、それぞれ独自の体内時計を持っています。 
この体内時計は、睡眠時間と睡眠のサイクルを調整しています。

人間の脳は、太陽などの強い光を感知することで、今が朝なのか夜なのかを判断します。 
そして人間の脳は、今が夜であると判断すると、体温を下げたり脳内で眠りを促すホルモンであるメラトニンを分泌したりして眠る準備をします。 

気を誘うホルモン物質「メラトニン」

人の体内で分泌されるホルモンには、起きている状態を維持する「コルチゾール」と、眠りを誘う「メラトニン」があります。 
ホルモンには、その分泌によって体型や食欲、気力、成長といった状態の変化を、体の各部位へ伝える役割があります。 

その中でもメラトニンは、眠る時間に合わせて体から分泌がされ、脳に「眠る時間が来たぞ!」というメッセージを伝えます。 
人は、体内でメラトニンと呼ばれるホルモン物質が分泌されるおかげで、自然と眠たくなるのです。

覚醒中に貯まる睡眠圧「アデノシン」

人の脳内には、起きているときに溜まり続けるアデノシンという物質があります。 
アデノシンが脳内で増えることで「眠りたい」という欲求が高まります。 

つまりアデノシンが私たちに眠気をおこさせる「睡眠圧」を作り出しているのです。 
アデノシンは、起きている時間が12〜16時間になるとピークに達し、睡眠圧も最大になります。 

起きている時間が長ければ、その分睡眠をとりたいという欲求が高まるのです。 

アデノシンとオレキシン 
人の脳には睡眠中枢と覚醒中枢があります。睡眠中枢と覚醒中枢は、シーソーのような関係にありどちらか一方が優位になることで、覚醒と睡眠とが切り替わります。  

アデノシンは睡眠中枢を優位にする物質で、このアデノシンの分泌により人は眠くなるのです。 
睡眠中枢に働きかけるアデノシンに対して、覚醒中枢に働きかける物質をオレキシンといいます。 

そのため眠気を引き起こすためには、アデノシンの分泌を促すとともに、オレキシンの分泌を抑制する必要があります。 

眠りたくなる状況と環境作り

体を眠りたくなる状況にする

人の体は、体内時計により、夜になるにつれて、体温が下がると同時に眠気がやってきます。

また眠りに入るときは、まず脳や体がリラックスした状態に移行します。 
そのため眠りを妨げる原因として、体温が下がっていないこと、脳や体がリラックスできていないことがあげられます。 

つまりスムーズに眠りに入るためには、体温を下げ、体をリラックスさせることが重要です。

リラックスした状態とは?
リラックスした状態になるためは「副交感神経」を優位にすることが重要です。 

人の体には、外からの刺激を脳に伝えたり意思的に身体を動かしたりする「体性神経」と、意思に関係なく自動的に働く「自律神経」とがあります。 

暑いとき、汗をかき体温を下げようとするのは、自律神経が働いているからです。 
自律神経は、昼間や活動しているときに活発に機能する「交感神経」と夜間やリラックスしているときに活発に機能する「副交感神経」の2つがあります。 この2つの自律神経のバランスを保つことだ重要です。 

副交感神経が優位になることで、血圧や体温の低下、筋肉の弛緩につながり、体がリラックスした状態になります。 

寝るための環境のセッティング 

人は眠りに落ちやすい体の状態や眠たくなる環境があります。
なかなか寝付けない時は、眠りたくなるように環境を整え、体が眠る準備に入るようにしてあげましょう。 

人はパターンで行動をします。特定の環境に置かれたときに、その環境とセットで体が記憶している行動を引き起こすことができます。 

眠れない時の対処法15選

室温15°〜20°の設定で快眠に

室内を涼しいと感じる温度に設定しましょう。 人は眠りにつくとき体温が下がります。  

そこで室内の温度を下げ、体温を下げることで眠りを誘うことができます。  
季節によっても変わりますが、室温を15°〜20°の涼しめの温度に設定しましょう。 

湿度40~70%の設定で快眠に

湿度は不快に感じない値に調整をしましょう。
適切な湿度は、40~70%となります。 

冬は乾燥しやすいので加湿器を使用しましょう。 夏は多湿なので除湿器やエアコンの除湿機能を使用しましょう。 冷凍庫で凍らした1.5ℓ〜2.0ℓペットボトルを置くだけで、付近の湿度を4%〜10%を下げることができます。

空気の入れ替えで気分スッキリ 

室内で篭っていると、呼吸により空気中の酸素濃度が低くなります。  
そんな時は窓を開け、換気をして酸素を取り込みましょう。  

6畳の部屋であれば、窓やドアの2箇所を開け風通しよくすることで、5分ほどで室内の空気を入れ替えることができます。 

冷えた枕で頭からリラックス 

体温を下げることで眠気を誘うことができます。   
体の表面温度を下げることが、体の芯の体温を下げるにつながります。  

ずっと同じ枕で熱が篭っている場合は、枕を裏返して冷えている面を使いましょう。 
汗をかいてしまっている場合は、タオルなどを枕の上に敷くのがオススメです。 

頭を冷やしてリラックス 

眠れないときによくしてしまう行動が考えごとをしてしまうことです。 
頭を使うと脳に血液が回り、熱を持ってしまいます。 

冷えピタをおでこや首の後ろに貼り頭を冷やしましょう。
冷えピタなどがないときは、保冷剤をタオルに巻きそれを頭と枕の間に敷くのがおすすめです。 

パジャマを変えて気分スッキリ 

眠気を誘うため体温を下げるようにしましょう。  
新しいパジャマを着替えることで、体の表面の温度を下げ、また気分もスッキリさせることができます。 

また、ゆったりとした大きめのサイズのパジャマであれば、熱が篭ってしまうことを避けることができます。そのため寝苦しく途中で起きることもなくなります。 

スマホの明かりにはご注意を 

人間の目がブルーライトなどの白色系の光を感知すると、脳が「朝だ!」と認識し、眠りを誘う「メラトニン」の分泌を下げてしまいます。 

なるべく寝る前はあまりスマホの画面を見ないようにしましょう。 
もし画面を見る際は、スマホ画面を目から離すようするかナイトモードにしブルーライトを抑えましょう。 

ヒーリング効果がある音楽でリラックス 

副交感神経を優位にしリラックスした状態になることで、眠気を誘うことができます。  
ヒーリング効果のある音楽を聴き、聴覚からリラックスした状態になりましょう。  

川や海などの水のせせらぎなどの音はヒーリング効果があるためオススメです。  睡眠用の音楽は、YouTube上で数多くアップされています。  「眠れないとき 音楽」で検索してみましょう。 

シャワーを浴びて入眠しやすい体温に 

人の身体は急に体温が上がると、上がった分以上に今度は体温を下げようとします。  
シャワーを浴び短時間で体温を上げ、横になることで、体温が下がりはじめると同時に、体は眠るための準備に入ります。  

シャワーに入ることができない場合は、足湯でも問題ありません。  足や手などは、毛細血管が集中しています。  手足の温度を上げ、汗をかき、熱を放出することで、血の循環を使って体の温度を下げることができます。 

暖かい飲み物を飲む  

人間の身体は、体温が上がると、平常時の体温に戻そう働きをします。 
そのため温かい飲み物を飲むことで、内臓などの温度を一時的に上げると、人間の体は体温が上がった分今度は体温を下げようとします。  

体温が下がるタイミングに、横になることで、自然と眠りを誘うことができます。 
また温かい飲み物は、副交感神経を優勢してくれるため、体をリラックスした状態にしてくれます。 

飲み物の温度は、暑すぎないように50℃前後にしましょう。
白湯やホットミルク、ハーブティーなどがオススメです。 

ハーブティーの場合は、カモミール、カノコソウ、オランジ、ベルガモット、ネロリ、サンダルウッドがオススメです。

飲み過ぎにはご注意を!
水分をとりすぎてしまうと、睡眠中にトイレに行きたくなり、睡眠の途中で覚醒をしてしまうことになります。睡眠が中断されると、睡眠の質が下がり、翌朝も眠気が残ってしまいます。 適切な量の水分を摂取し、寝る前にトイレに行くようにしましょう。 

アロマの香りでリラックス 

アロマなどの香りをかぐことで、副交感神経を優位にすることができます。  
副交感神経を優位だと、体がリラックスした状態になるため、身体が自然と眠る体勢になります。  
  
アロマでおすすめな香りが、ラベンダー、オレンジ、ベルガモット、ネロリ、イランイラン・カモミール・サンダルウッドです。

またコーヒーの香りでも眠気を誘うことができます。 
脳はコーヒーの香りをかぐことで、脳内でアルファ波と呼ばれる、リラックスしているとき現れる脳波が出現します。  

そのためコーヒーの香りはリラックス効果がありリラックスすることで眠気を誘うことができます。 

しかし、コーヒーに含まれるカフェインは、眠気を阻害する効果があります。  
そのためコーヒーを飲んでしまうとかえって眠れなくなる状況を作ってしまいます。 

眠れない要因を作るストレスの解消 

「早く眠らないと」というプレッシャーが眠りを妨げる 

「早く眠らないと!」と考える原因は、睡眠時間が短くなることへ不安があるからでしょう。 つまり本来眠ている時間よりも睡眠時間が少なくなることへ脅威を感じているのす。 

しかし自然に眠ることができないのであれば、体が「今は寝る時ではない」と判断しています。
無理に眠ろうとせず「せめて横になって休めるようにしよう」と考えましょう。 

体が眠りを必要としていれば、知らぬ間に眠りついていることがほとんどです。 

人は眠りに着いてから最初の約90分の間に、脳や体のメンテナンスの大部分を済ませてしまいます。 
またこの90分の間にその睡眠で最も深い眠りに入ります。 

いつもよりも睡眠時間が短くなることに脅威を感じすぎないようにしましょう。
1時間でも2時間でも睡眠を取ることができたのならば儲け物という前向きな気持ちで、今の状況を捉えましょう。 

またいつも寝る時間のその前後2時間は一番寝にくい時間帯であるフォビドンゾーン(睡眠禁止ゾーン)になっています。 「今眠れないのは普通」と現状を悲観しないようにしましょう。 

「起きられなかったらどうしよう」という不安が眠りを妨げる 

「朝の6時には起きなくていけない」というストレスのせいで寝付けないと感じることは、誰でもあります。 

しかしこのストレスがあることで、脳は起きたい時間を意識することができ、その時間が来ると体が自然に起きようとします。 
ストレスを適度に扱い、起きたい時間に目が覚めるように行動をしましょう。

その方法としては、目覚ましをセットすることや、目覚ましの設定に間違いがない確認する作業になります。 目覚ましのセットは、起きる時間を意識させる行為で、それにより体がその時間に目を覚まそうと調整します。また起きたい時間を3回唱えることで、起きる時間を強制的に意識することができます。 

それでも心配になる場合は、今のうちに明日の準備をしましょう。 明日の持ち物の確認や着る服の準備を先に行っていれば、その分明日の朝の時間に余裕ができるでしょう。 

「明日が来てほしくない」という憂鬱な気分で眠れない 

憂鬱な気分になるのは、体がリラックスして寝る準備に入っている証拠です。 

人の体は、日が暮れるとともに副交感神経が優位になり、心拍と体温が下がり、リラックスした状態になります。 ところが副交感神経が優位になることで体も心も落ち着いた状態になるのですが、行きすぎるとネガティブな感情へ向かってしまうことがあります。 

そもそも人は本能的に睡眠を取ることを拒絶します。 睡眠と取っている間、私たちは外部からの情報を得ることできなくなり、無防備な状態になってしまいます。  

そこで眠る前の私たちは「本当に眠ってもいいのか」と確認作業を行う習性があります。この習性により、ときには寝る前に悩み事や心配事が頭に浮かんでしまうのです。 

憂鬱な気分に気分になったは「もう少しで眠れる」「眠れる準備に入った」とその状況をポジティブに捉えましょう。 
気持ちを紛らわすために、好きな音楽を聴くのがおすすめです。 

その他の眠れない原因 

カフェインが眠りを妨げる 

コーヒーの香りには、私たちに眠気をもたらせてくれる効果があります。
しかしコーヒーに含まれるカフェインには「睡眠圧」をもたらすアデノシンの働きを阻害する効果があります。

アデノシンは起きている間に脳内で溜まり続けます。 アデノシンが神経細胞にあるアデノシンの受容体と結合することで、眠気がやってきたりやリラックスした気分になったりします。 

ところがカフェインは、アデノシンの構造と似ているため、アデノシンの受容体を占領してしまいます。その結果いつまで経っても眠たくならない状態になってしまいます。 

それでもカフェインにより溜まったアデノシンが消えるわけではありません。 

肝臓でのカフェインの消化が終わり、その効力が切れると脳内に蓄積されたアデノシンが、受容体に一気に流れ込み、強い睡魔がやってきます。この現象を「カフェインクラッシュ」と呼びます。 

そのため、カフェインで目が冴えていても、横になりいつでも眠れる準備をしましょう。 

昼寝でたくさん眠ってしまった 

昼寝は適切にとることで、日中のパフォーマンスを上げてくれます。 しかし昼寝の時間が長かったり、夜間の睡眠の直前に仮眠をとったりしてしまえば、いつもの寝る時間でも眠れなくなってしまいます。 

それは、本来脳内に溜まっているアデノシンが、仮眠により消失するからです。 必死に貯めた、貯金を切り崩すようなものです。 

昼寝や仮眠のせいで眠れなくなっているのであれば、十分に眠気が取れているため、体が睡眠を欲求していないことになります。 

そんなときは、ベッドや布団で横になり、体だけでも休まるようにしましょう。 
いずれ眠りたい欲求が高まり眠りに落ちるでしょう。 とりわけ人の体には、体内時計によりいつも時間に眠くなるようにできています。 時間が遅れても体は眠る準備をしているのです。 

まとめ

人は本来、夜になると自然に眠くなるようにプログラムされています。

もし今あなたが眠ることに苦戦をしている場合は、焦らず眠くなるように体を導きましょう。そのとき必要なのは、体温を下げることと体をリラックスした状態にすることの2点です。

今回紹介した、室温を下げたり音楽を聞いたりなど自分に合った方法で眠気を誘いましょう。そして今日のような眠れない日があったときのために、今度からはハーブティーやアロマの準備をしておきましょう。

また眠れない日があっても、今度はもっと上手に体を眠りやすい状態にすることができようになります。

サイトでは、他にも眠れない時に役に立つ寝落ち術を紹介しています。

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この記事を書いた人

28歳の会社員

睡眠コンサルタント( 一般社団法人 日本能力教育促進協会認定)

不眠症で悩んだことをきっかけに睡眠について勉強し、睡眠についての資格を取る。

睡眠についての知識を付けることで、生活リズムを整え、不眠症を改善。

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