- 夜眠りたくても眠れない
- 寝ても途中で目が覚める
- 眠ったのに眠気が取れない
このような睡眠に関するトラブルを抱えている人は多いでしょう。
人は眠る前に、体がリラックスした状態になる必要があります。眠る前にリラックス状態に慣れないと、スムーズに入眠が出来なかったり、熟睡が出来なかったりします。
そんな睡眠のトラブルを解決するのがアロマです。アロマは体を気分を落ち着かせ、そして体をリラックス状態にしてくれます。
さらに睡眠効果があるアロマを使うことで、寝つきが良くなり、さらに深い睡眠を取ることができるようになるのです。
この記事では、アロマの香りが持つ力について解説するとともに、睡眠コンサルタントが教える睡眠に効くアロマとその使い方を紹介します。
精油とフレグランスオイルの2つのアロマオイル
アロマオイルとは、香りがついたオイル全般のことをさします。
アロマオイルは、精油(エッセンシャルオイル)とフレグランスオイル(ポプリオイル)の2つに分けられます。
- 精油(エッセンシャルオイル):花、果実、種子、葉、樹皮などから抽出される100%天然の植物性香料。
- フレグランスオイル(ポプリオイル):化学反応を利用して作られた人工の合成香料。
精油(エッセンシャルオイル)の場合は、ラベルに「精油」もしくは「エッセンシャルオイル」の記載が必ずあります。また精油の場合は、植物の学名を必ず記載する決まりがあります。
そのため学名がない場合は、精油ではありません。精油は天然の植物から抽出するため高価です。精油をお求めの場合は、専門店で購入するようにしましょう。
香りを感じる仕組み
嗅覚は、私たちに備わっている五感(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)の中で唯一、感情や本能を司る大脳辺縁系に直接伝達されます。
香り成分が鼻から吸い込まれると、鼻の奥にある嗅上皮の嗅細胞がその香りの刺激を感知します。そしてその刺激が電気信号に変換され、大脳辺縁系へ情報が伝わるのです。
香りを嗅いてからその情報が脳に伝わるまでの速度は、0.2秒以下でとても速いです。たいして痛みが伝わる速度は0.9秒以上です。
大脳辺縁系は主に、感情を司る扁桃体と短期記憶を司る海馬で構成されています。香りは、理性的な思考を通さずにダイレクトに大脳辺縁系に作用するため、人はその香りに対して本能で好き嫌いを判断します。
大脳辺縁系に達した後は、ホルモンの分泌を調整する視床下部や脳下垂体へもその情報が伝わります。
アロマの香りが持つ3つの睡眠効果
アロマは古代から、疲労を抱える心や体を癒すための香料治療として利用されてきました。香料治療はアロマセラピーとも言われますが、厳密にはアロマセラピーでは精油を使用します。
しかし精油でなくてもアロマの香りは、私たちの脳にダイレクトに刺激を伝えるため、瞬時にあなたが抱えている睡眠トラブルを解決することができるでしょう。
- リラックス効果により熟睡をもたらす
- 気分が落ち着くことで入眠がしやすくなる
- 呼吸が深くなり寝苦しさが解消される
1. リラックス効果により熟睡をもたらす
香りが作用する視床下部は、自律神経系を司る部位です。
自律神経は、昼間や活動しているときに活発に機能する「交感神経」と夜間やリラックスしているときに活発に機能する「副交感神経」の2つがあります。
アロマの香りは副交感神経が優位にさせるため、心と体をリラックスした状態にしてくれます。
またアロマの香りの効果により、脳全体の活動が落ち着き、アルファ波と呼ばれる脳波が出現します。アルファ波は、寝る直前やリラックス状態のときに現れる脳波です。
2. 気分が落ち着くことで入眠しやすくなる
香りは脳の中心にある扁桃体にも作用します。扁桃体は感情を司る部位で「快・不快」などの感情を引き起こします。いい香りを嗅ぐことで感情が「快」の状態に切り替わるのです。
また香りは、扁桃体と同時に海馬に作用します。海馬は短期記憶を司る脳の部位で、扁桃体と同じく大脳辺縁系にあります。
香りが海馬に作用し、刺激を与えることで過去の眠っていた記憶を思い出すことがあります。また香りは扁桃体にも刺激を与えるため、過去の感情までもが呼び起こされます。
3. 呼吸が深くなり寝苦しさが解消される
アロマの香りの成分によっては、鼻通しを良くする効果を持っているものがあります。
鼻が詰まってしまうと、口呼吸になってしまいます。睡眠時に口呼吸をしていると、舌の筋肉が弛緩し気道を圧迫してしまうのです。気道が圧迫されるとイビキをかいたり、呼吸がしづらくなったりと、熟睡の妨げとなります。
眠りにいいアロマオイル5選
アロマは、私たちの睡眠に関するトラブルを解決してくれるアイテムです。そこでアロマの中でも特に睡眠効果が期待できるアロマの紹介をします。
アロマ香りにはいくつかジャンルがあります。
- 柑橘系
- ハーブ系
- フローラル系
- オリエンタル系
- 樹脂系
- スパイス系
- ウッド系
今回紹介するアロマは全て異なるジャンルから選抜しました。気に入ったジャンルの香りが見つかりましたら、同じジャンルで似た効果を持つアロマを使うことで、香りに飽きがこないようにすることができます。
1. ラベンダー
精油名 | ラベンダー | |
学名 | Lavandula angustifolia | |
科名 | シソ科 | |
系統 | フローラル系 |
ラベンダーは、アロマの代表的なの香りで、心や体の不調を癒す万能薬として知られています。
ラベンダー特有の甘く柔らかい香りが、緊張や不安、イライラを和らげてくれるのです。ラベンダーの香りを嗅ぐことで、高ぶっている気持ちを沈めてくれます。
眠る前に嗅ぐことで、心地よい眠りをもたらしてくれます。
2. オレンジ・スイート
精油名 | オレンジ・スイート | |
学名 | Citrus sinensis | |
科名 | ミカン科 | |
系統 | 柑橘系(シトラス系) |
オレンジ・スイートは、子供から大人までの男女問わず好まれる香りです。
柑橘系の爽やかな香りで体をリラックスした状態にしてくれると同時に、気分をリフレッシュしてくれます。前向きな気分にしてくれため、何かに思い悩んだ際にオススメの香りです。
夜嗅ぐことで、安眠をもたらしてくれます。
3. バニラ
精油名 | バニラ | |
学名 | Vanilla plantifolia | |
科名 | ラン科 | |
系統 | スパイス系 |
バニラといえば、アイスなどのスイーツに用いられるため馴染みにある香りでしょう。
バニラの甘い香りは、怒りやフラストレーションを鎮め、幸せな気分にさせてくれます。気が立っているときに嗅ぐことで、気分を落ち着かせることができます。
バニラに含まれるヘリオトロピンは睡眠効果があるため、ぐっすり眠りたい人にオススメです。
4. サンダルウッド(白檀)
精油名 | サンダルウッド | |
学名 | Santalum album | |
科名 | ビャクダン科 | |
系統 | オリエンタル系 |
サンダルウッドの和名は白檀(びゃくだん)です。サンダルウッドは、お香などに使用されるため日本人には馴染みがある香りでしょう。
寺院のお香を感じさせるウッディでエキゾチックな香りで、緊張や不安、イライラを和らげるてくれるます。
気持ちが張り詰めている時にサンダルウッドの香りを嗅ぐことで、気を鎮めることできます。
5. シダーウッド
精油名 | シダーウッド | |
学名 | Cedrus atlantica | |
科名 | マツ科・ヒノキ科 | |
系統 | ウッド系 |
シダーウッドは、マツ科やヒノキ科の樹木を原料をするため、木の香りを楽しむことができます。
森の中で木に囲まれているように感じられる香りで、日常の疲れやストレスを緩和し、気持ちを安定させてくれます。
シダーウッドに含まれるセドロールは、睡眠効果があるため入眠を早めたい人にオススメです。
アロマオイルの楽しみ方
寝る前にアロマを楽しむなら芳香浴がベストです。
アロアの香りを空間に広げるその香りを楽しむことを芳香浴と言います。
寝る前にアロマを使うシーンではこの芳香浴がオススです。寝る前の一定時間だけ、アルマの香りを楽しみ、眠気を誘い出すことができます。
- ティッシュやハンカチを使う
- アロマストーンやアロマウッドを使う
- 噴霧式アロマデュフューザーを使う
- 加熱式アロマデュフューザーを使う
- 超音波式アロマデュフューザーを使う
ティッシュやハンカチを使う
アロマオイルをティッシュやハンカチに2~3滴垂らし、枕元に置いてアロマを楽しむ方法です。
アロマが自然に揮発し、香りらせることができます。身近なものアロマを使えるため、道具などを購入する必要はありません。
ただし、アロマオイルがシミなるため、ハンカチを使う場合は、お気に入りのハンカチを使うのは避けましょう。
アロマストーンやアロマウッドを使う
アロマストーンやアロマウッドは、アロマを自然に揮発させ際に使うアロマ専用の道具です。ティッシュのように消耗品にならず、またハンカチのように毎回洗う必要がありません。
アロマストーン
アロマストーンは、素焼きの陶器や珪藻土、石膏からで作られています。
アロマオイルを2~3滴垂らし、自然に揮発するのを利用して香りを楽しむことができるのです。アロマが揮発とともに、自然と匂いが消えます。
アロマウッド
アロマウッドは、クスノキやブナ、欅など天然の木材から作られています。こちらもアロマオイルを2~3滴垂らし、自然に揮発するのを利用して香りを楽しむことができます。
ウッド系のアロマオイルを使う際は、アロマウッドがオススメです。アロマウッドの木の温もりと一緒に、ウッド系のアロマの香りを楽しむことができます。
噴霧式アロマデュフューザーを使う
アロマの液体をデュフューザーにセットし霧状にして噴出して香りを楽し無ことができます。
アロマオイルの原液をそのまま霧状に散布するので瞬時に部屋全体に広がります。水を使用しないため手入れが少なく衛生的です。
加熱式アロマデュフューザーを使う
加熱式アロマデュフューザーは熱を加えるため、ティッシュやアロマウッドなどの自然な揮発よりも、芳香力に優れています。加熱式アロマデュフューザーは、主に2つの種類があります。
アロマポット
アロマポットでは、アロマをセットし、下から火で温めることで空間にアロマを香らせます。人は、火を見ることで気分が落ち着きます。
火は1/f揺らぎという揺れ起こします。人の体は1/fゆらぎを感知すると、生体リズムと共鳴し、副交感神経が整えられリラックスした気分になります。
アロマランプ
アロマランプは、セットしたアロマオイルをランプの熱で、空間にアロマを香らせてくれます。
ランプは主に電球色と呼ばれるオレンジ色の温かみのある電球を使います。電球色は、間接照明などでよく利用され、リラックス効果があり就寝前に使用することで、睡眠に移行しやすくなります。
ただし火の後始末にはくれぐれもご注意ください。火を使ってまま眠ってしまうことで家事などを引き起こしてしまうことがあります。
超音波式アロマデュフューザーを使う
超音波式アロマデュフューザーは、水と精油をセットし、その蒸気を発生させることでアロマの香りを散布します 。
熱を加えず電気の力で香りを部屋の中で拡散させます。
アロマ加湿器について解説
超音波式アロマデュフューザーとは別にアロマ加湿器があります。超音波式アロマデュフューザーがアロマの散布が目的にしているのに対して、アロマ加湿器は加湿をすることを目的にしています。眠りやすい湿度は40%〜70%になります。冬場の乾燥が気になり、加湿ついでにアロマを楽しむ場合は、アロマ加湿器がオススメです。
まとめ
アロマには、寝付きを良くする様々な効果があります。
- リラックス効果により熟睡をもたらす
- 気分が落ち着くことで入眠しやすくなる
- 呼吸が深くなり寝苦しさが解消する
- ホルモンバランスを調整する
アロマを適切に使用し、睡眠に関する悩みを解決しましょう。
寝付きを良くするアロマは、オレンジ・スイート、ラベンダー、バニラ、サンダルウッド、シダーウッドなどが挙げられます。そのほかにも、たくさんのアロマの種類がありますので、ぜひ一度お気に入りのアロマを探してみてはいかがでしょうか?
またアロマの楽しみ方についても紹介をしております。自分合ったアロマの使用方法で、寝る前に体をリラックスさせ、気分を落ち着かせましょう。
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